『朱の記憶 亀倉雄策伝』


「サン・ジョルディの日」なので本の話題を。

デザイナーの岡本幸雄さんに「ぜひ読んだほうがいい」と
勧めていただいた『朱の記憶』。
グラフィックデザイナー亀倉雄策氏の伝記です。
最初のページから終わりまで揺さぶられっぱなしでした。

たとえば、戦後すぐ駅のホームで見つけた
進駐軍の将兵たちが食べ残した携帯食の空き箱のエピソード。

“抽象的なデザインが青いインクで施されている。美しい。野戦の塹壕でも、日の当たらぬ狭い潜水艦のなかでも、敵近くの駐屯地でも、食事のときくらいは、豊かな気持ちにさせようとする。(中略) 携帯食の箱にさえここまで神経を配る国と日本は戦っていたのか。それはひとつの衝撃だった。”

そして、亀倉氏は箱を持ち帰り奥様に伝えます。

“「ほら、このデザインを見てごらん。これが文明なんだ。デザインとは生きる喜びなんだ。オレはこのデザインを、これからきっと極めてみせるよ」”

このようにして先人が築いてくれた文脈の上に、
(末端乍ら)自分も立っていることにふるえます。
しっかりと地に足をつけて進むべきだと
改めて襟を正しました。

 * * *

写真の中のそのほかの本は、
『朱の記憶』の中にでてきた人物や出来事の関連書籍です。
少しずつ読み進めています。

評価:
馬場 マコト
日経BP社
¥ 1,944
(2015-12-19)


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コメント
田中一光や名取洋之助、編集学校の頃が思い出され、懐かしい限り。亀倉勇策は、私(の世代)にとっては、やっぱり1964年の東京オリンピックのロゴであり、ポスター。今回のダサダサロゴマークを採用するくらいなら、いっそ1964年のセカンドバージョンとして彼の遺作を復活させれば良いのに。
  • harpo
  • 2016/04/24 7:48 AM
harpoさん、ありがとうございます。
「デザインと行く」は確か課題図書でしたよね。

1964東京オリンピックのポスター。本当に力強い。
撮影には東京中のストロボが集められたと書かれていました。当時の写真技術を考えれば、奇跡に近いビジュアルだったのですね。
  • さとうあすか
  • 2016/04/24 11:04 AM
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